書かずば読めぬはなし
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ノートやオンラインメモサービスにメモを取るという行為を経て、マルジナリアンへと回帰した。幾度目かの回帰である。
マルジナリアとは、余白への書き込みのことだ。古今東西のマルジナリアに関する詳しい話はぜひトム猫の愛読書『マルジナリアでつかまえて』を読んでいただきたい。
それで回帰したという話だが、今回もまた「余白では狭い!もっと書くには別のものに書くしか無い!!」とマルジナリアンを辞したのだが「本を閉じてスマホで打つの手間だな……短く言えるようになったし余白への書き込みでもよいのでは?」となり、読書の旅を経て帰ってきた。
具体的に何をしているかと言うと、その章や項の「いいたいこと」に蛍光ペンで色を引いたり、これは!と思ったところに蛍光ペンで線を引いたり。そして、マージンに思いついたことや要約、言い直し、知らない単語があったら調べた意味を愛用のクルトガで書いている。芯は2Bの0.5だ。
読み終わった見開きを眺めると、この世に1冊の本が存在しているのがとても楽しい。再読の時、前の自分がいかに頭が悪かったか……もしくは今よりもずっとひらめていた! という記録も同時に残るということになるが、そういった自分の変化も面白い。
何回も出てくるが忘れがちなキーワードは、見返しのところにページ数と共にメモしておくと自分用の索引になって便利だ。(これも愛読書『マルジナリアでつかまえて』で覚えたことだ。著者の山本さんの索引もぜひ見てほしいのでぜひ手にとって欲しい)
わたしはワーキングメモリに問題があるがCPU性能が爆速のため、記憶が行われる前に読み進んでしまう。CPUの速度にブレーキを掛けて速度を調整しながら読むための方法が書き込みであり、読んだそばから忘れていくのを防ぐのもまた書き込みである。読んだそばから忘れていくとつまらなくなってしまい、読書もはかどらなかったりする。
ゆっくり読み、その文の意味を考え、理解しにくいところは自分で言い直してみると何故かどんどん楽しくなってきて、結果的にただ読むよりもたくさん読める。
わたしと同じようなお悩みを抱えている人があれば、一度試してみてはいかがだろうか。